公然わいせつ罪では翌日以降にも逮捕される?後日逮捕について横浜オフィスの弁護士が解説
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屋外などの人目につきやすい場所で裸になると、公然わいせつ罪に問われる可能性があります。当たり前のように思いますが、泥酔などにより判断能力が低下している場合、ついこのような過ちを犯してしまうという事があります。翌朝になって前日の記憶があいまいであると、ふと我に返って不安になってしまうかもしれません。
公然わいせつ罪での逮捕は、裸になっているのを見ていた目撃者が、その場で通報して逮捕に至る光景を想像しがちです。しかし、その場では何も起こらず、日にちが経ってから逮捕されることはあるのでしょうか。今回は公然わいせつ罪の後日逮捕について、横浜市の弁護士が解説します。
1、「公然わいせつ罪」と「後日逮捕」
まずは、「公然わいせつ罪」と「後日逮捕」がそれぞれどのようなものかを確認しておきましょう。
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(1)公然わいせつ罪とは
公然わいせつ罪とは、その名のとおり、「公然とわいせつな行為をした」場合に成立する罪です。冒頭で例に挙げたように、屋外で裸になる行為のような露出癖などをイメージしがちですが、周囲から丸見えの自宅やストリップ劇場など、室内であったとしても罪になる行為に該当する可能性があります。その他、不特定多数から見られるインターネット上でリアルタイムに配信した場合でも同様です。
公然わいせつ罪で有罪になると、6ヶ月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料という刑罰が与えられる可能性があります。 -
(2)後日逮捕とは
後日逮捕とは、逮捕のタイミングを「犯行のまさにそのとき、その場所」と「犯行から時間が経った後」に分けた場合の後者にあたるもので、法令上、正しくは「通常逮捕」と呼びます。ちなみに前者は現行犯逮捕です。後日逮捕をするには「逮捕状」が必要で、逮捕状の請求のためには、捜査によって証拠がそろっている必要があります。
逮捕状を請求するために必要な証拠とは、逮捕の理由と必要性を証明する証拠です。逮捕の理由とは、被疑者(罪を犯したのではないかと疑われている人)が罪を犯したことを疑うに足りる相当の証拠、必要性とは逃亡のおそれ又は証拠隠滅のおそれを指す証拠です。
後日逮捕までどのくらいの時間がかかるかは捜査の進み具合によって異なります。単純な事件であれば数日から数週間以内で逮捕に至ることがありますが、複雑な事件の場合は逮捕まで数ヶ月や数年もかかることがあります。
2、公然わいせつ罪による後日逮捕の可能性
公然わいせつ罪での逮捕は現行犯逮捕が多いですが、後日逮捕される可能性もゼロではありません。
在宅のまま任意事件で捜査を進めようとしても、証拠隠滅の可能性が高いと判断されれば、後日、逮捕されることがあります。共犯者が多いときや、被疑者が任意の取り調べで容疑を不合理に否認しているときなど、後日逮捕される可能性があります。
また、後日逮捕が考えられる具体的な例として、目撃情報で同じようなものが続けて寄せられるケースや、舞台がストリップ劇場であるケースが挙げられます。
3、後日逮捕される前に自首すべきか否かの判断
公然わいせつ罪に刑罰がある以上、自首するメリットは存在します。自首すれば、刑が軽くなることが期待できるからです。しかし、現行犯逮捕されていないのであれば、同じような犯行を繰り返さない限り、逮捕されない可能性も考えられます。自首したほうがよいかどうかを判断するのは容易ではないでしょう。
自分だけでは判断できないのであれば、弁護士に相談するのもひとつの手です。もちろん弁護士が逮捕を決めるわけではないので、確実なことがいえるわけではないですが、経験や知識によって、アドバイスが可能です。
また、自首することに決めた場合は、その準備のサポートを受けたり、実際に自首する際に同行してもらったりすることも可能です。
4、逮捕後の身柄拘束について
逮捕とは簡単にいえば身柄拘束のことです。逮捕された後はすぐに裁判になると思っている方もいるかもしれませんが、逮捕されても起訴されなければ裁判になりませんし、起訴されるまで一定期間、身柄拘束が続く可能性があります。身柄拘束は、以下のようにいくつかの段階に分かれます。
- 逮捕
- 被疑者勾留
- 被告人勾留
それぞれについて、簡単に見ていきましょう。
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(1)逮捕
逮捕による身柄拘束の期間は、警察によって身柄拘束が開始されて72時間以内です。この期間内に、取り調べや検察への送致、検察から裁判所への勾留請求などがおこなわれます。
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(2)被疑者勾留
裁判所から勾留請求が認められると、被疑者勾留が始まります。最初は10日間ですが延長の可能性もあり、最長で20日間までの勾留が認められています。この期間が満了するまでに起訴・不起訴が決まります。不起訴処分になった場合はその時点で釈放されます。
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(3)被告人勾留
起訴されると「被疑者」から「被告人」へと呼び名が変わります。保釈請求をおこない、これが認められた場合は釈放されますが、保釈請求が認められない場合は被告人勾留として身柄拘束が続きます。
身柄拘束の流れは以上ですが、あくまで拘束が続く場合の話であり、実際には途中で釈放されたり、不起訴になったり、また起訴後でも保釈されたりすることもあります。とはいえ、万が一被告人勾留まで身柄の解放がなかった場合は、1ヶ月以上の長期拘束になる可能性もあります。
たとえば会社員をしている方の場合、逮捕時点では必ず職場に連絡がいくわけではなく、むしろ職場に連絡が入るケースは多くありませんが、身柄拘束が長期にわたれば欠勤の言い訳が立たず、逮捕の事実が知られる可能性があります。職場から不利益な扱いをできる限り受けないように対応をするためには、逮捕後、早めに弁護士を選任してサポートを受けることが大切なのです。
5、まとめ
本コラムでは公然わいせつ罪の後日逮捕について解説しました。
公然わいせつ事件は現行犯逮捕が多いですが、後日逮捕の可能性もありえます。同じような犯行を繰り返してしまっている場合は尚更です。
もし不安に感じるようであれば、早期に弁護士へ相談したほうがよいでしょう。
事件の発覚前であれば自首のサポートをお願いすることもできますし、逮捕されてしまっても早期の身柄釈放を目指したり、裁判を回避したりするために動いてもらうこともできます。
「現段階では弁護士費用がかけられない」という場合には、無料相談を利用する方法もあります。
費用面の心配をするよりも、まずは弁護士に相談して適切なアドバイスをもらい、心理的な圧迫状態から解放されるべきでしょう。公然わいせつ罪で逮捕されるかもしれないと不安に思っている方は、ベリーベスト法律事務所 横浜オフィスまでご相談ください。横浜オフィスの弁護士が適切なサポートをいたします。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています