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【後編】献身的な介護をした次男の妻は相続できる? 「寄与分」とその権利者とは

2019年07月04日
  • 遺産を受け取る方
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【後編】献身的な介護をした次男の妻は相続できる? 「寄与分」とその権利者とは

横浜オフィスでも、相続問題についてのご相談を受けることがあります。そこで前編では、「寄与分」の基礎知識から実際に権利者として認められるケースについて解説しました。

後半は、引き続き寄与分の詳細と、平成30年に創設されて令和元年に施行される「特別寄与料の請求権」について弁護士が解説します。

3、寄与分が認められる権利者

寄与分が認められるのは「法定相続人」に限られます。法定相続人とは息子や親、など民法で決められている相続が認められている親族のことを指します。

「父・母・息子2人」という家族の「父」が死亡した場合、相続人は「母と息子2人」だけです。父の兄弟や祖父母は存命していても、相続人になることはできません。

父の介護を息子の妻が献身的に介護をしていた場合は、息子の妻自身が寄与分を主張しても、認められることはありません。相続人ではないからです。しかし「息子の妻は息子のサポートをした」という理由で、息子自身が寄与分を主張することは可能です。

逆に、相続放棄した方、何かしらの理由で相続欠格になり権利を失った方、被相続人の意思によって相続排除となった方は、法定相続人であっても相続権はもちろん寄与分の権利もありません。

4、寄与分はどのように決めるか

  1. (1)相続人での協議

    通常被相続人の遺産は、法定相続人として遺産を受け取る人数で分割します。遺言が残されている場合は、遺言に従って分割します。遺言の内容に不服がある場合や寄与分を主張したい場合は、他の相続人に申し出て、了承を得なければなりません。

    遺産は相続人全員の了承がなければ分割できません。

  2. (2)調停

    話し合いで全員が合意できなければ、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てます。調停とは、調停員が当事者全員から事情を聞き、資料を確認して、解決案を提示してくれる手続きです。

    調停を行うためには、申立書や、被相続人の出生から死亡するまでの戸籍の全部事項証明書、遺産に関する証明書、相続人全員の住民票などさまざまな書類が必要です。個人が手続きをすると非常に手間と時間がかかるので、弁護士に依頼することをおすすめします。

  3. (3)審判

    調停でも合意できなかった場合は、自動的に審判という手続きに移行します。審判では、裁判官が提出された資料などをもとに遺産分割を決定します。その内容にも不服がある場合は、「即時抗告」という手続きを行う必要があります。

    原則として遺産分割だけで訴訟を起こすことはできませんが、相続人の範囲や、遺言書の有効性、遺留分の主張などの場合は裁判で争うことも可能です。

5、寄与分の計算方法の具体例

寄与分は、相続人が被相続人に対してどれくらい金銭的に貢献したかで、計算します。たとえば、事業の手伝いを無償で行っていた場合は、雇用されていたら受け取ることができたであろう賃金を計算し、相続分に上乗せするのです。

  1. (1)家業従事型

    家業従事型では、本来相続人が受け取るべき給与を計算します。生活費の援助を受けていた可能性を考慮して、生活費相当分を差し引いた額とします。

  2. (2)療養介護型

    療養介護型は、要介護認定を受けているにもかかわらず自宅で介護していた場合に認められる可能性が高いものです。だから、要介護認定の度合いによって、定められている介護報酬に介護日数をかけて計算します。

  3. (3)財産出資型

    財産出資型の場合は、支払った金額や贈与した不動産の価値がそのまま寄与分として認められます。不動産の場合は、相続開始時の時価額で計算され、お金の場合は、支払った金額に貨幣価値変動率をかけたものが寄与分として認められるでしょう。

6、法改正で特別寄与料の請求権が創設される

  1. (1)特別寄与料請求権

    平成30年1月の民法改正により、相続に関する規定が見直され、被相続人に貢献した親族が「特別寄与料」を主張できるようになりました。施行されるのは令和元年7月1日です。

    今回の制度改正によって、相続人でない親族も特別寄与料を請求できる制度が備わり、妻であっても特別寄与料を請求可能となります。

    特別寄与料を請求できる親族の範囲は以下のとおりです。

    • 被相続人の6親等以内の血族
    • 被相続人の3親等以内の配偶者の血族・血族の配偶者

    この制度により、次男や長男の妻、さらには孫の妻も、自ら特別寄与料を請求できるようになります。ただし、内縁や事実婚や、家政婦やヘルパーには認められません。また、親族であっても、遺産放棄する、相続欠格や相続排除となれば寄与分も認められません。

  2. (2)特別寄与料の請求方法

    親族に寄与分があったとしても、自動的に特別寄与料が認められるわけではありません。遺産相続した人物に申し出て金額を請求する必要があります。

    特別寄与料は当事者同士で協議し決めますが、話し合いがまとまらないとなれば、家庭裁判所で調停や審判などで決定します。特別寄与料は相続人に対する寄与分と同様の計算方法で計算されると考えられます。

7、まとめ

寄与分は、被相続人の財産を維持・増加することに貢献した相続人に認められた権利です。ただし、法定相続人ではない、長男の妻などは直接寄与分を主張することはできません。

しかし民法改正によって、2019年7月1日からは親族であれば特別寄与料を主張できるようになりました。これによって長男や次男の妻でも寄与分の請求が可能です。

寄与分が認められるかどうか、そしていくら認められるかはケース・バイ・ケースで判断が難しく、他の相続人の理解も得難いケースが多いものです。相続人同士での話し合いがうまくいかない場合は、遺産相続問題の取り扱い実績が豊富な弁護士に相談しましょう。ベリーベスト法律事務所 横浜オフィスでも、あなたの状況に応じて適切なアドバイスを行います。お気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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