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養育費の未払い! 相手が退職しても差し押さえの強制執行はできる?

2021年05月20日
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養育費の未払い! 相手が退職しても差し押さえの強制執行はできる?

横浜市の公表している『横浜市統計書(第2章 人口)』の人口動態調査によると、令和元年の同市内の離婚件数は6004件でした。平成30年の5958件から微増し、横浜でも離婚を選択している夫婦は少なくないことが伺えます。

子どもがいる離婚において、養育費の取り決めは重要です。親権者であれば、離婚した後も子どもの親として養育費等のやり取りをしていかなければなりません。また、子どもと別居していても、養育費の支払いは親の義務です。

しかし中には養育費の支払いが滞ってしまい、困窮している親権者もいます。たとえば、「元夫に何度催促しても返答がないため勤務先に問い合わせたところ、すでに退職していた」というケースもあります。そのような場合、泣き寝入りするしかないでしょうか?

ベリーベスト法律事務所 横浜オフィスの弁護士が、養育費を支払う相手(支払い義務者)が退職し無職になってしまった場合の法的対策や差し押さえについて解説します。

1、養育費不払いに対してできる法的対策

養育費の支払いが滞ったときは、手元に債務名義がある場合に限り、裁判所を介して、支払い義務者の所有財産に強制執行をかけることができます。

債務名義とは、養育費の請求権の存在を公に確認した以下のような文書のことです。

  1. ① 執行認諾文言付き公正証書
  2. ② 調停調書
  3. ③ 確定判決
など


① 執行認諾文言付き公正証書とは、協議離婚の際に、養育費や財産分与などの取り決めについての合意内容を記載する、公証人が作成する文書です。

離婚は、夫婦の話し合いでさまざまな取り決めをする協議離婚がもっとも一般的ですが、もし夫婦の協議のみでは離婚条件の合意に至らなかった場合には、家庭裁判所で離婚調停を行い、②調停調書を作成します。

さらに離婚調停が不成立に終わった場合には、最終的に離婚訴訟を提起し、③確定判決を得ることになります。

手元にこれらの債務名義があれば強制執行を行うことが可能です。しかし、調停調書が手元にある場合は、まずは家庭裁判所で履行勧告と履行命令を出してもらうこともできます。履行勧告は、家庭裁判所が養育費を支払うよう説得してくれるというもので、強制力はありません。勧告を無視し、さらに履行命令に従わない場合には10万円以下の過料が科せられることもありますが、こちらもあくまでも間接的な強制にとどまります。

それでも相手が養育費を支払わない場合は、管轄の地方裁判所に強制執行を申し立てることになります強制執行を申し立てた後は、通常は債権者側(養育費の請求権を有している人)が自分で差し押さえの手続きをすることになります

なお、これらの手続きは慣れていない一般の人にとっては難しく手間がかかるため、弁護士のサポートを受けることをおすすめします

2、改正民事執行法により差し押さえがしやすくなった

  1. (1)財産開示で虚偽の報告をすると刑事罰が科される

    令和2年4月1日に施行された改正民事執行法により、従来の制度に比べると、養育費の差し押さえがしやすくなりました。

    改正ポイントはいくつかありますが、一つ目は財産開示命令違反、財産開示についての虚偽報告等について罰則が強化され、「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」の刑事罰が科されるようになったことです(改正民事執行法213条1項6号)。改正前は「30万円以下の過料」でしたが、今後は前科がつく可能性があります。

    差し押さえには、まず相手の財産状況を把握する必要がありますが、改正前は離婚した配偶者の財産を把握することのハードルが高く、債権者側の大きな負担でした。それが、この厳罰化により、養育費の支払い義務者が法的に財産開示をせざるを得なくなり、差し押さえ対象となる財産が把握しやすくなったのです。

  2. (2)第三者からの情報取得制度を新設

    改正ポイントの二つ目は、金融機関・市区町村役場・登記所などの第三者からの情報取得制度が新設されたことです。

    養育費の支払い義務者が所有している財産の情報を、裁判所を通して本人の同意なしに照会することができるので、(1)で述べた本人による財産開示手続きよりも、さらにスムーズに実効されることが期待できます。

    第三者からの情報取得制度の流れは、管轄の地方裁判所に申し立てをし、内容が認められると裁判所が各機関に情報提供命令を下します。

    たとえば預貯金口座については銀行や信用金庫などの金融機関、不動産については登記所、有価証券口座については証券会社、給与については自治体役所・年金事務所に財産情報の提供を命じます。

    第三者機関が作成した情報提供書は、裁判所を経由するか、または申立人に直接郵送されます。預貯金と有価証券については、支払い義務者による財産隠しと強制執行逃れを防ぐために、1か月経過してから支払い義務者のもとに通知されます。

    申し立ては、支払い義務者が離婚後に転職している場合でも、住んでいる自治体さえわかれば、源泉徴収・年金データにより現在の勤務先を調べることができます。

  3. (3)今後の法改正の見通し

    上記のように、より差し押さえがしやすくなった改正民事執行法ですが、養育費の確実な回収実現にはまだまだ不十分だとも指摘されています。

    また、養育費の不払いに並ぶ問題として、親権者による面会交流拒否、親子の交流断絶、単独親権なども挙げられています。

    “単独親権の在り方”と“養育費不払い問題の解消”は両輪ともいえるため、現在法務省は“養育費の強制徴収”をはじめとする家族法改正に向けて議論を進めています。

3、相手が退職していた場合にできる法的対策

  1. (1)自発的な無職は潜在的稼働能力ありとされる

    養育費の金額を決めるには、父母の収入と子どもの人数などを基準として、裁判所が定めた『養育費算定表』に基づき決定されることがほとんどです。

    養育費の金額が設定された後でも、支払い義務者の会社の倒産や給与の減少など、状況に変化があった場合には、家庭裁判所に養育費減額請求を申し立てられ、減額が認められることもあります。

    しかし、働ける状況にあるにもかかわらず、自主的に退職して意図的に収入減少させたと判断される場合は、潜在的稼働能力があるとして、養育費の減額が認められない可能性があります。

    また、会社から給与を受け取っていない無職の状態になっても、他に不動産や預貯金などの財産を十分に有していれば、これまで通りの金額の養育費を請求できるケースもあるでしょう。

    前述の通り、相手の財産情報を提供してもらえる“第三者からの情報取得制度”がありますので、減額請求があった場合は、給与以外に強制執行できそうな財産がないか調査してみましょう

  2. (2)転職していた場合は新しい勤務先を調査する

    別の会社に転職していた場合には、支払い義務者の居住地さえ判明していれば、市区町村役場にある源泉徴収データと年金事務所にある厚生年金データをもとに新しい勤務先を調べることが可能です。

    前述の“第三者からの情報取得手続き“を管轄の地方裁判所に申し立てれば、市区町村役場と年金事務所に情報提供書を作成してもらうことができます。

    支払い義務者の現住所は、住民票の除票を取得することで調べることが可能です。ただし完全な行方不明の場合には、難しいかもしれません。

4、養育費(扶養料)は子ども自身も請求できる

“子育てにかかる費用”は、子ども自身も請求することができます。子ども自身が親に請求する場合には、扶養料と呼びます。

養育費の請求は民法第766条(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)に基づくもので、子どもからの扶養料の請求権は民法第877条(扶養義務者)に基づくものであり、理論上は別々の権利です。

養育費はあくまでも父母同士の合意により定められたものであり、子どもは話し合いに参加していません。したがって、子どもが扶養料を請求する際には、養育費についての父母同士の合意に拘束されないものと考えられています。

成長して判断能力を身につけた子ども自身が養育費の金額が少なすぎると思えば、後で扶養料としてもっと多くを請求することが可能である、ということです。ただし受け取っている養育費の金額が、扶養料算定の際に配慮されることはあります。

扶養料を請求できるのは、子どもが経済的に自立するまでの間であり、必ずしも成人年齢とイコールではありません。大学へ進学することが一般的となった現代社会においては、大学卒または大学院卒までの扶養料を請求できる可能性があります。その際、父母の学歴も考慮されます。

5、養育費の不払いは弁護士に相談を

養育費の強制執行や差し押さえの手続きは、離婚問題の実績が豊富な弁護士に依頼することにより、スムーズな解決が期待できます。

たとえば、裁判所や市区町村役場、金融機関など平日昼間しか開いていない機関での手続きも多いため、弁護士に一任することで時間的な負担が解消されるでしょう。

また、モラハラ・DVなどにより冷静な話し合いが難しい相手であっても、弁護士を介して交渉することで、離婚後でも養育費の債務名義を得られる可能性があります。

法改正により養育費を回収しやすくなったとはいえ、養育費についての債務名義が手続きには必須です。しかし実際には、養育費について話し合いをしないまま離婚してしまう人も少なくありません。
しかし、養育費について合意せず、債務名義も作成しないまま離婚してしまったとしても、子どもが自立するまでの間は養育費・扶養料を正当な権利として請求できます。ただし、過去分にさかのぼった養育費の請求が認められるのは難しいケースが多いので注意が必要です。

養育費や扶養料をめぐる裁判所の判断は個別具体的な事情によっても大きく異なる傾向がありますご自身の現状に即した見通しを確認したい場合は、まずは弁護士に相談されることをおすすめします

6、まとめ

養育費の支払い義務者が退職して無職になってしまった場合でも、給与以外の財産(預貯金、不動産、有価証券など)を有していたり、潜在的稼働能力があると判断されたりすれば、これまで通りの養育費の請求が認められる可能性があります。

また、退職後に別の勤務先に転職していた場合には、“第三者からの情報取得制度”を利用して新しい勤務先の情報を取得できるケースがあります。

ただし、“財産開示手続き”や“第三者からの情報取得”は、裁判所への手続きが必要となります裁判所の手続きについて疑問点や不安なことがあれば、離婚男女問題の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所 横浜オフィスの弁護士まで、お気軽にお問い合わせください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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